MIKIMOTO 第56回 日本赤十字社 献血チャリティ・コンサート ヴェロニカ・エーベルレ ヴァイオリン・リサイタル

終了しました

日時 2017年11月1日(水)  7:00pm(6:30pm開場)
料金 【全指定席】¥5,000★  学生U25 ¥2,500★
出演者 (ピアノ) シャイ・ウォスネル
プログラム
バルトーク: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Sz.75

*****

J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ホ長調 BWV1016
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 Op.121

★アンコール曲
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番  第2楽章 
詳細

現在のヴァイオリン界を席巻するアナ・チュマチェンコ門下生のひとりで、世界トップクラスのオーケストラや指揮者と共演する才媛、ヴェロニカ・エーベルレ。注目の名古屋初登場。

 ヴェロニカ・エーベルレは、以前来演したリサ・バティアシュヴィリやアラベラ・美歩・シュタインバッハー、ヴィルデ・フラング、玉井菜採と同じく名教師アナ・チュマチェンコの門下生で、ヨーロッパではよく知られた存在です。彼女が世界的な注目を浴びたのは、2006年、わずか16歳でザルツブルク復活祭音楽祭に出場し、サイモン・ラトル指揮でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を見事に演奏したときで、以来世界の主要なオーケストラや著名な指揮者から招かれ、高い評価を受け続けています。とくにサイモン・ラトルとは何回も共演し、演奏活動やレコーディングについてもアドバイスを受けています。

器の大きさを感じさせる演奏をするだけに、時間をかけて育てられている印象を受けます。わが国では、N響と4回共演しているもののまだ馴染みがあるとはいえないかも知れませんが、真に力のあるヴァイオリニストとして聴き応えある演奏を聴かせてくれるものと期待しています。日本財団から貸与されているストラディヴァリウス「ドラゴネッティ」の響きも聴きものです。

 

◆ヴェロニカ・エーベルレ インタビュー

Q1 ヴァイオリニストになるには、家庭環境やきっかけと、自分の意思とがうまくかみ合わないとできませんが、ヴェロニカさんの場合にはどんないきさつがあったのですか?またご両親は音楽家でしたか?

A 私の家系は2代にわたる医者です。なのに、私と私の二人の兄弟は医者としての道を歩むのではなく、皆、音楽家としての道を歩んでいます。我々3人に共通して言えることは、3人ともに、「音楽という特別な言葉」に魅了されている、ということです。

ヴァイオリンとの出会いは、私より半年前にヴァイオリンを始めた友人なんです。その音を聴いた瞬間に、私は、ヴァイオリンに魅了されてしまいました。私が両親に「ヴァイオリンを習いたい!」と言ったのは、私が6歳の時でした。そのとき、両親は驚き、一生懸命「ピアノにしなさい!」と私を説得したことを覚えています。その説得に応じ、一度はピアノを習うことにしました。でも、もし私がピアノをどうしても嫌いだったらヴァイオリンを習うことにする、という条件付きでしたけどね。結果は御覧のとおりです。

 

Q2 ご経歴のなかで、アナ・チュマチェンコ先生について長く学ばれたことが目をひきます。アナ先生につかれたきっかけは何だったのでしょう。また、彼女はどのような教え方をされましたか?

 ミュンヘンのコントラバス奏者ヘルトナーゲルさんがアナ・チュマチェンコ先生を紹介してくださいました。13歳だった私を教える、とアナが決めてくれたことは、本当に幸運なことでした。彼女はただただ、すごい人です。彼女の偉さは、それぞれの生徒に最適な言葉、ジェスチャーを選び、過干渉になることなく、強く進むべき道を示してくれることです。彼女の指導を通じ、私たちは自分の持ちうる最大限の能力を発揮しながら成長をすることができ、そして、同時に一人ひとりの個性を失うことなく音楽を通じてそれを表現できるんです。彼女の教えというのは、生産工場のように、だれもが同じような演奏をするヴァイオリニストを育てるということとは、まったく正反対のものです。

 

Q3 現在のヴェロニカさんの音楽のなかでアナ先生の教えはどのように影響しているとお考えですか?

 彼女はとても影響力のある人であることは間違いありません。彼女は出会った頃から、自律と責任感を常に問い、曲への想像力、アイディアをいつも考えるよう求め、演奏においてたえず進化することを要求しました。それは、今の私の全てと申しあげてもよいでしょう。

 

Q4 サー・サイモン・ラトルとザルツブルクで出会ったことがヴェロニカさんの人生での大きな転機になったと聞いております。その時のことを話していただけますか?

 ザルツブルクでラトルと共演する2年前、14歳のとき、私のリサイタルを偶然ベルリン・フィルの元メンバーが聴きにきてくれたんです。その時、彼が楽屋に来てくれて、「ラトルのために演奏をしなさい!あなたが望むなら、アレンジするから」って言って下さったんです。こんなうれしいお話をもらったら、だれでも「もちろん!」って言いますよね。でも、まさかそれが現実のものになるなんて思ってもいなかったので、忘れていました。1年後、彼が電話をしてきて、「ザルツブルクでラトルのために演奏をできるようアレンジした」って言ってくれたんです。そして2年後に、ザルツブルクでベルリン・フィルと共演をしました。ラトルはもう一回共演をしようと言ってくれました。そのひと言はとても自信になりましたし、彼との音楽を通じて、意義深い信頼関係を築けたことに感謝をしています。ラトルはいつでも、音楽に身をささげる者として考えうる最良のアドバイスをくれる素晴らしい音楽家です。

 

Q5 ほかの若手の演奏家に比べるとレコーディングはかなり少なく思われます。その理由は何ですか?

 レコーディングは、写真の様に、ある瞬間をとらえ定着するものだと思っています。私個人としては、パッと生まれて消えていくそのプロセスこそが音楽だと思っているので、レコーディングは私の信念に反するように思えるのです。しかし、レコーディングを通じて、より多くのお客様に演奏を知っていただけるというメリットもあることは心得ています。ですので、ファーストCDを近々、皆様にお届けできるよういろいろと計画をしています。

 

Q6 多くのレパートリーのなかでも特にシューマンがお好きだと聞いています。シューマンの音楽のどんなところに惹かれますか。

 シューマンは、偉大な作曲家の一人です。彼は、演奏家の限界を極限まで押し広げる努力をした作曲家と言えるでしょう。彼の精神に到達するにはたゆまぬ努力と勉強が求められます。私にとって、シューマンはロマン派の精神そのものです。シューマンは、語るべきストーリーを内面から見つめ的確に音を紡ぎだすための、飽くことのない努力を続けた作曲家です。あらゆる面において、真の天才と呼べるでしょう。

 

Q7 リサイタルのプログラムを組むうえで、もっとも気を配ることは何ですか?

 私にとって、プログラミングとは、「世界」を創ることだと考えています。コントラスト、統合、一つの物語、裏に隠されたテーマ、それらを包括した世界です。しかし、何よりも大切にしていることは、作曲家の名前ありきではなく、曲と曲がつながりあい、呼応しあい、調和を生むようにプログラムすることです。

 

Q8 日本や中国など東洋の作曲家の作品について何か感じていらっしゃることはありますか?また、自分のレパートリに取り入れる考えはありますか?

 クラシック音楽家にとって、武満徹、チン・ウンスク、イサン・ユン、タン・ドゥンたちは、現代曲のレパートリーとして無くてはならない存在なのは、ご承知の通りですよね。彼らの視点、アイディアが無ければ、今のような音楽的豊かさはなかったでしょうね。

 

Q9 現在お使いのヴァイオリン「ドラゴネッティ」について、どのような経緯で使うようになったか、また、どんな響きをもっているか、について教えていただけますか?

 この楽器を弾いて7年になります。日本音楽財団のことは前から知っておりましたが、たまたま私が日本デビューで、NHK交響楽団とドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を演奏したとき、日本音楽財団会長の塩見さんが来てくださって演奏を聴いていただいたことがありました。後に、楽器をお借りすべく申請書をお送りし、幸運なことに許可をいただきました。ヴァイオリニストとして、日本音楽財団の楽器を弾けることはとても光栄なことで、許可をいただいた時の嬉しさは、今も忘れることができません。初めて「ドラゴネッティ」に触れた時、自分が「ドラゴネッティ」を弾けるということを信じることができませんでした。ネックまでもがオリジナルのままで、コンディションは素晴らしい状態でした。ただただ美しく紡ぎだされる音はこの世のものとは思えませんでした。暗黒の地底から響くような暗い音から、聖歌隊のように清らかな音まで、なんでも奏でられるこの楽器に、今も驚かされてばかりです。

 

Q10 好きなヴァイオリニストを教えてください。

 シゲティです!

 

ありがとうございました。



 

 

Profile

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
Veronika Everle, violin

 

 ヴェロニカ・エーベルレの稀有な才能と安定感のある成熟した技術には、世界トップクラスのオーケストラ、コンサートホール、音楽祭、そして著名指揮者たちから賞賛が寄せられている。
 

  2006年のザルツブルク復活祭音楽祭で、わずか16歳のヴェロニカ・エーベルレはサー・サイモン・ラトルの紹介を受けて満席のザルツブルク祝祭大劇場に登場、ベルリン・フィルとベートーヴェンの協奏曲を弾き、世界中の注目を集めた。それ以後、世界の主要オーケストラ、著名指揮者に招かれ、ロンドン響(ラトル)、コンセルトヘボウ管(ホリガー)、ニューヨーク・フィル(ギルバート)、モントリオール響(ナガノ)、ミュンヘン・フィル、ゲヴァントハウス管(ラングレー)、ベルリン放送響(ヤノフスキ)、フランクフルト放送響(パーヴォ・ヤルヴィ)、バンベルク響(ティチアーティ、ノット)、チューリヒ・トーンハレ管(M.ザンデルリンク)、NHK響(コウト、シュテンツ、ノリントン)、ロッテルダム管(ラトル、ガフィガン、ネゼ=セガン)と共演した。
 南ドイツのドナウヴェルトに生まれ、6歳でヴァイオリンを始めた。その4年後、ミュンヘンのリヒャルト・シュトラウス音楽院のジュニア・クラスに進み、オルガ・ヴォイトヴァに師事した。クリストフ・ポッペンに一年間個人レッスンを受けた後、ミュンヘン音楽大学に入学し、2001年から2012年までアナ・チュマチェンコのもとで研鑽を積んだ。室内楽にも情熱をもって取り組んでおり、シャイ・ウォズナー、ラルス・フォークト、ルノー・カプソン、アントワン・タメスティと定期的に演奏している。

2015/2016シーズンにはソプラノのアンナ・プロハスカと室内楽ツアーを行い、ウィグモア・ホール、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ドルトムント・コンサートホールを始め、ヨーロッパの主要ホールで演奏した。また最近のリサイタル活動ではロンドン(ウィグモア・ホール・マスター・シリーズ)、ニューヨーク(カーネギー・ホール・デビューシリーズ)、ザルツブルク(モーツァルテウム)、アムステルダム(コンセルトヘボウ)、パリ(パリ市立劇場)、チューリヒ(トーンハレ)、ルツェルン音楽祭を訪れている。

 長年にわたり、日本財団、ボルレッティ・ブイトーニ・トラスト(2008年にフェローシップ)、若いソリストのためのオルフェウム財団(チューリヒ)、ドイツ音楽生活財団(ハンブルク)、ユルゲン・ポント財団(フランクフルト)など、多くの権威ある団体から支援を受けている。
 2003年にマインツで開催されたイフラ・ニーマン国際コンクールで1位に輝き、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭とメクレンブルク=フォアポンメルン音楽祭では聴衆賞を獲得した。また、2011年から2013年までBBCラジオ3の新世代アーティストに、2010年から2012年までドルトムント・コンサートホールの“ユンゲヴィルデ”アーティストに選ばれた。

 使用楽器は日本音楽財団から貸与されたストラディヴァリウス「ドラゴネッティ」(1700年製)。

主催コンサート一覧に戻る»

お問い合わせ

【主催)電気文化会館 (中電不動産 文化事業室) (052)204-1133 【共催】公益財団法人ソニー音楽財団(Sony Music Foundation) 【協賛】ミキモトグループ(株式会社ミキモト/株式会社御木本真珠島/御木本製薬株式会社) 【後援】日本赤十字社  ※コンサートの収益金は、日本赤十字社へ寄付され、献血運搬車の購入・整備資金に充てられます